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2019/04/06

死にがいを求めて生きているの

平成もいよいよ残り僅かとなりましたが、先日、平成5年生まれの次男が「読んだらウゥっとくるよ、母さんも読んでみたら?!」と貸してくれたのがタイトルの『死にがいを求めて生きているの』、平成生まれ初の直木賞作家 朝井リョウ氏の新刊でした。

数年前から仕事先で「最近の若者は…」とか「ゆとり世代は…」といった共に働くことの難しさや相容れない価値観の違いなどをよく耳にしていましたが、昨今の働き方改革の波で、その難しさはさらに深刻になってきているように感じます。

この書籍の帯には、“平成”を生きる若者たちが背負う自滅と祈りの物語と書かれています。
確かに物語の設定や主人公たちは、まぎれもない“平成”感なのですが、物語の根底に流れる鬱々とした焦りや怖れは、昭和生まれの私たちにも通じるものを感じます。
感じないのだとすれば、感じないように麻痺させ続けているか、ずっと前から諦めたふりをしているのかもしれません…
平成の若者たちを理解しようとすることは、実は、見たくない自分に向き合うことなのかも…と思わせてくれる作品でした。

冒頭の写真は、先日ふらっと訪れた中禅寺湖です。
この湖が見えるカフェで本を読んでいたのですが、ふと窓の外に目をやると4月だというのに雪が舞っていました。