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2016/02/22

ストレスを味方にする工夫

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先日、ある医療機関で行われたメンタルヘルス関連の院内研修に参加させていただき、早稲田大学人間科学学術院教授の熊野宏昭先生の『ストレスを味方にする工夫』と題したお話を伺いました。

熊野先生は、マインドフルネスなどを取り入れた新世代の認知・行動療法について研究を行っていらっしゃる第一人者で、テレビ番組へも多数出演されている著名な方です。

その熊野先生からストレスを味方にする工夫として挙げられた3つのキーワードが、「力まず」「避けず」「妄想せず」というものでした。

まず、「力まず」ですが、これはただ寝ているとかゴロゴロしている状態以上のリラックス状態を作り出すというもので「自己統制法」が紹介されていました(興味のある方は検索してみてください)。
これを続けると約2週間で効果を実感できる方が多く、しかも長期的に続けることによりリラックス状態を備蓄していくことができるそうです。

そして次の「避けず」は、望ましくない行動パターンや思考パターンを連鎖で考え、その連鎖を断ち切る策を講じて直面する苦痛を乗り越えることで、日々の気がかりを減らしていくというものです。
「ちょっと勇気を出していつもとパターンを変えてやってみたら、案外できた…怖くなかった…」といった感じです。
例えば(ちょっと手荒な例ですが)、高所恐怖症の人が高いところに登って、最初は怖くても我慢していると15分程でその恐怖がピークアウトしていくという実験などもあるそうです。
苦手なことや怖いこと、嫌なことなどは「そんなの絶対無理!!」と思っているだけで、実はその体験を実際にやってみていないだけだったということです。
ポイントは、今までと違うことを行った時は、必ず振り返り結果を確認することで、その積み重ねにより次第に望ましい行動へと変容させていくという鬱病の治療などにも用いられている手法だそうです。

そして最後の「妄想せず」ですが、これは最近注目を集めているマインドフルネスを用いた”心の使い方”の改善です。
マインドフルネスと対局にあるのが「心ここにあらず」という状態で、過去のことを思い出して悔いていたり、先のことを案じて不安になったりという状態、または、「もぉ考えるのも嫌だ…」と心を閉ざした状態です。
特に「考えない」ということは、一時的には効いても、後で倍返し三倍返しになるので注意が必要とのことで、ともかくあるがままの現実をみれるように、自分の思考から考えるのではなく、自分の思考をみること(観察すること)を練習するのがマインドフルネスとのことです(こちらも興味がある方は熊野先生の著書等読んでみてください)。

さて、冒頭の写真ですが、私の癒しの一つは、育てている観葉植物の成長を楽しむことなのですが、昨年秋に買ったクワズイモの幹?から最近芽がでてきました… 何とも言えず、かわいいです。