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2015/05/26

対立の技能

DSC_0422今日行ったとあるセミナーで「欧米の企業の 85%もの重役が 対立することへ恐れを感じている」という調査結果があると聞きました。欧米の企業でこの割合ということは、日本ではどのくらいの人が対立を恐れていることか…確かに私もファシリテーションやチームビルディングを行う場面で度々目の当たりにしますし、自分自身も避けられるものなら避けたいと無意識のうちに思っています。
しかし、意見の対立や衝突は新たな理解や信頼を築くチャンスでもあり、よりよい組織づくりのためには、それぞれが”対立の技能”を身に着ける必要がある…ということでした。

それに関連して、今ちょうど読んでいた『チームが機能するとはどういうことか―「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチAmy C. Edmondson (著) にも「意見の相違の問題は、それが起きることではなく、意見が対立したときに”印象”をおのずと抱いてしまうことだ」と書かれてあり、障害となり得る二つの”印象”(認知的誤謬)が紹介してありました。
まず一つ目は、”素朴実在論”と呼ばれるもので、人は自分の意見を実際そうである以上に常識的だと思い込んでおり、その結果、他の人も当然自分と同じ意見を持っていると誤解する傾向にあり、そうでないと気づいた時(意見の対立が起こった時)、他者に対して、理性に欠けているからとか、道理をわきまえていないからとか、へそ曲がりだからだといった判断で片付けようとする。
二つ目は、”根本的な帰属の誤り”と呼ばれるもので、何か問題が起こった時の原因について、他者に対しては、その人個人の性質や能力にあると捉え、自分自身に対してはその逆で、原因は外的要因だとする傾向にあるというものです。例えば、大切な会議に遅れた時、自分に関しては「道が混んでたから仕方がなかった…」と考えるが、部下が遅れてきた時は「あいつはやる気がなくて時間にルーズ…」と判断するといった具合です。
いずれも意見の対立や不一致に対して建設的に取り組むことを難しくさせるものであり、意識的に断ち切らないと、誰もが陥りがちな”印象”だと書かれてありました。
確かにそういう傾向ありますよね…反射的な不快感を克服して”対立の技能”を身に着けたいと思います。

さて、冒頭の写真ですが、先日ランチを兼ねた打ち合わせで行った『東京 芝 とうふ屋 うかい』の庭に咲いていたアジサイです。安倍首相も利用されるという東京タワーの麓にあるお店で、都心とは思えない静けさでした。